【10/5共同養育Lab.開催報告】パートナー対話支援セッション—デモンストレーションを通じて学ぶ対等な対話の可能性—

第7回となる今回は、リスコが近日リリース予定の「パートナー対話支援セッション」について、デモンストレーションを通じて実践的に学ぶ機会となりました。参加者6名(男性2名、女性4名)とともに、夫婦間の意見相違や対立が生じたときに、第三者の支援を得ながら対等に対話する方法について探求しました。

1.パートナー対話支援セッションとは

家族家庭の中で、父母間の意見相違が生じている、どうしても話し合いの折り合いがつかない、言い争いになってしまう——そんなとき、カップルカウンセリングやシステムコーチングなど、夫婦の関係性に働きかける2(夫婦):1(支援者)のセッションは他にも存在します。

しかし、リスコのパートナー対話支援セッションには、以下の特徴があります:

  • 夫婦対等: どちらか一方に偏らない中立的な立場
  • 当事者主体: 支援者が誘導せず、当事者の自主性を尊重
  • 話したいことを話す: 必要以上に視点を広げず、当事者が本当に話したいテーマに集中

この「対等性」と「主体性」を基盤とするアプローチが、他の支援手法との大きな違いとなっています。

2.当日のプログラム

日時: 2025年10月5日(日)13:00〜17:00
場所: 月島区民館
参加者: 6名(男性2名、女性4名)
ファシリテーター: 深井沙織、他支援者、共同養育実践者

プログラム構成

  • 13:00〜14:00 自己紹介&自助(1時間)
  • 14:00〜16:00 パートナー対話支援デモセッション(2時間)
  • 16:00〜17:00 対話(1時間)

3.デモセッションで取り扱ったケース

当日は、日常的に起こりうる3つのモデルケースを用いて、パートナー対話支援セッションのデモンストレーションが行われました。

ケース1:実家との距離感

祖母・母・娘の三世代密着による距離感の問題。世代を超えた家族関係の中で生じる価値観の相違について扱いました。

ケース2:子どものSwitchゲーム問題

子育ての中で頻繁に起こる、ゲーム時間やルールをめぐる夫婦間の意見の違い。日常的なテーマだからこそ、対話の難しさが浮き彫りになるケースです。

ケース3:中学進学をめぐる夫婦対立

娘の中学進学をめぐる夫婦間の対立。夫婦間のコミュニケーションパターン自体が問題の核心にある、複雑な構造を持つ事例でした。

4.参加者の声

メディエーションのロールプレイから、"美しい形"に触れられたような気がしました。哲学対話で本質を認識し合うゼミに参加しているのですが、あ、この感覚同じだわ、と思いました。

・お互いを尊重し合う前提条件として、第三者の存在がとても大切であることを実感し、2人で行き詰まって堂々巡りしているコミュニケーションに突破口を見出す可能性を感じました。

・行き詰まったら、"ちょっとメディらない?"ぐらいの世の中になるといいな!って思います(笑) いつもメディエーターが居る場が有れば、カフェに立ち寄るみたいなメディカフェみたいな場がが有ればイイって思います!

対話支援の限界や課題についても率直に感じられました。どちらか一方が対話の姿勢を持たない場合、第三者の支援があっても解決が困難であることを、デモセッションを通じて実感されたようです。

5.今後の展開

リスコでは、今回デモンストレーションを行った「パートナー対話支援セッション」のサービスを近日中にリリース予定です。

婚姻内外を問わず、父母間の対話に行き詰まりを感じている方、子育てをめぐる意見の相違に悩んでいる方にとって、新たな選択肢を提案していきます。

共同養育Lab.は、今後も毎月第1日曜日の午後に月島近辺にて開催予定です。共同養育に関心のある方は、ぜひお気軽にご参加ください。