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法務大臣認証ADR機関。中央区・港区・江東区といった男女平等が進んだ東京ベイエリアから未婚・離婚後も含めた共同養育の実現を目指しています。

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【1/12 共同養育Lab.開催報告】自立した親が育む、新しい家族の距離&リスコADRサービスについて

2026年1月15日 最終更新日時 : 2026年5月13日 kanri

第10回となる今回は、前半に共同養育当事者のゆきさんをお迎えしてお話を伺いました。後半は、12月1日に法務大臣認証を取得した「リスコADR(裁判外紛争解決手続)」のサービス内容について、当事者や支援者の視点から意見を交わす会となりました。運営メンバー、当事者、支援者の7名(男性3名・女性4名)で、ADRの本質的な目的や「守られる合意」を作るプロセスについて、3時間以上にわたり深い対話が繰り繰り広げられました。

前半:共同養育LAB報告「自立した親が育む、新しい家族の距離感」

神奈川県在住のゆきさんをお招きし、離婚後の共同養育についてお話を伺いました。

■自分を深く探求するための選択

離婚に至るまでには多くの葛藤があったといいますが、ゆきさんにとってそれは「自分らしく生きる」ために必要なプロセスでした。そこから逃げずに自分を深く探求したゆきさん。その語る言葉には、自ら決意し、選び取ってきた人生の力強いエネルギーが宿っていました。

■義務ではなく「主体性」を記した協議書

お話の中で特に印象的だったのは、親としての「覚悟」の示し方です。離婚時に作成した「離婚協議書」には、元旦那様が主体となって「私は〇〇をします」という宣言の形で項目が記されました。 当時はゆきさん自身も精神的に余裕がない時期でしたが、元旦那様が「自分がやれることはこれ。だから親としてこれをやります」という自らへの宣言を文章に込めたといいます。この、相手を義務で縛るのではなく、親として自立した一人の人間が「自己コミットメント」を行う形こそが、離婚後も継続的に良好な関係を支え続けているのだと強く感じました。

■「パパ嫌い」から「宝物の時間」へ

同居中、子どもたちは母親にのみ懐き、お父さんは仕事に集中せざるを得ない状況から、子どもたちが「パパ、きらい!」と言うこともありました。しかし、別居・離婚をきっかけに、母親のいない環境で「父と子」が向き合う時間を意識的に作ったことで、大きな変化が訪れます。 お父さんが仕事から離れて子どもに集中し、遊び方や接し方を工夫する中で、今では子どもたちが2泊3日のお泊まりの後に「パパと結婚したい!」と言うほど、お父さんと過ごす時間を楽しみにしています。離れて暮らすようになったからこそ、親子で向き合う時間が何物にも代えがたい「宝物」へと昇華したのです。

■ムササビのように、自由に、軽やかに

 子どもたちが将来二つの家を、まるでムササビが二本の木の間をスイスイと行き来するように、自由に行き来し、当たり前のように暮らしていく様子。ゆきさんのお話からは、そんな「新しい家族の風景」を鮮やかに感じることができました。親の自立が、子どもの自由を育む――。共同養育のひとつの理想的な姿を教えていただいた時間でした。

後半:リスコADRサービス検討会 ~守られる合意を目指して~

1)ADRとは何か

ADRとは、裁判所の調停のような機能を民間で行える仕組みです。リスコADRは「共同養育・離別合意メディエーション」として、別居・離婚後の父母が子どもを中心とした協力関係を構築するためのサポートを提供予定です。

2)「守られる合意」とは何か

議論の中心となったのは、「いかにして守られる合意書を作るか」というコンセプトについてでした。

  • 「縛るための計画書だと守られなくなる」
  • 「妥協するための話し合いには乗りたくない」

こうした当事者の切実な声を通じ、ADRが目指すべきは「単なる条文づくり」ではなく、父母が協力し続けるための「作戦会議」であり、自分はどう動くかという「自己コミットメント」が大事であると認識しました。

3)コンセプトから始める対話

参加者からは、「Who(誰が)」から始めるアプローチが提唱されました。「子どもにとって心理的安全性を保てる親であること」(Who)を軸に、そのために「何ができるか(What)」「どう行うか(How)」を具体化していく重要性が共有されました。

4)プロセスの重要性

結果(合意書)よりも、そこに至るプロセスが本質的であることが確認されました。

  • 自己整理: 自分の感情を整理する
  • 相互理解: 相手の背景を理解する
  • 適切な距離: 必要に応じて適切なバウンダリー(境界線)を確保する
  • 継続的対話: 変化に応じて見直す

当事者からは、「離別から時間をかけ、お互いが個々の人間として自立し、適切な心理的距離を保てるようになって初めて、建設的な協力関係を築けるようになった」という実体験に基づいたプロセスが語られました。

5)ADRの対象範囲

  • 共同養育に最低限コミットできること(民法に基づく協力義務)
  • 話し合う意思があること
    ※「気持ち」の問題については、カウンセリング等でサポートすることで、対話可能な状態へ導くこともサポート。

6)言葉の選択の重要性

「共同」という言葉が持つ「強制感」や「密着感」への違和感も議論されました。「一緒にやる」というより「それぞれが役割を分担する」という実態に合わせ、「共同子育て体制の構築」や「新しい養育体制」といった、当事者が受け入れやすい柔軟な表現の必要性も議論されました。

7)具体的なサービス設計への示唆

  • 柔軟なプロセス: 個別セッションの活用や、自己整理のための時間確保。
  • 計画書の自由度: 法律的な事項は型を用いつつ、共同養育計画書は自由な記述も可能にする。

運営の感想

今回の議論を通じて、本質は「守られる合意書」を作ることではなく、「守りたくなる関係性」を作ることにあるのだと再認識しました。「妥協のための話し合いには乗りたくない」という言葉は、まさにADRの核心です。

また、相手との対話の前に、まず自分と向き合う「自己整理」の重要性も痛感しました。親自身が安定した状態(「緑」の状態)でいることが、子どもの幸せに直結します。 「子どもを産んでくれてありがとう」と言い合える関係性。必要な時に自然に支援が得られる関係性。今回の議論を受け、リスコADRのハンドブックや表現を、より「協力し続けられる関係性づくり」に寄り添ったものへとブラッシュアップしてまいります。

まとめ

  • プロセス重視: 対話と自己整理が本質。
  • 関係性の構築: 縛るのではなく、協力体制を作ること。
  • 自己コミットメント: 相手をコントロールせず、自分の行動を決めること。

「子どもの心理的安全性を守る」という共通の目的に立ち返れば、個別の対立を超えていける。そんな可能性を感じた1日でした。

共同養育Lab.は、今後も毎月第1日曜日の午後に開催予定です。共同養育に関心のある方は、ぜひお気軽にご参加ください。

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