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【5/11 共同養育Lab.開催報告】親の数だけ、家族のカタチがある。カナダの「子どもの権利」と「自分らしさ」を大切にする家族のあり方

2025年5月15日 最終更新日時 : 2026年5月13日 kanri

5月11日(日)午後、勝どき区民館にて第2回となる「共同養育Lab.」が開催されました。今回は、オンラインでカナダ在住の愛さんをゲストにお迎えし、異文化における共同養育のあり方を学びました。当日は、最後に駆けつけてくださった2名の方を含め、女性3名、男性6名の計9名が参加しました。

愛さんはカナダ在住の日本人女性で、カナダ人の元パートナーとの事実婚を解消した関係にあり、現在6歳になるお子さんの共同養育を実践されています。元パートナーとは子どもが3歳の時に別れることを決意し、それ以降は協力して子育てを続けています。日本とカナダの文化的な違いを経験しながら、共同養育の実践に取り組まれている話をお伺いしました。

愛さんの共同養育の状態

愛さんと元パートナーとの養育分担の状態は、愛さん宅で週3泊、元パートナー宅で週4日という50:50の交代監護に近い状態であることが分かりました。

基本的に父母双方が仮にいなくなったとしても100%子育てをできるような姿勢で共同養育をしているとのこと。

子の年齢と共同養育年数

カナダ市民である日本人の元パートナーと愛さんとの事実婚から離婚をして約3年、お子さん:6歳

父母の仕事

母(愛さん):フリーランス/父:会社員

養育分担

母(愛さん):日曜日〜水曜日(週3泊)/父:水曜日〜日曜日(週4泊)
※父の仕事休みを考慮した日程を設定
※土曜日の日本語学校は愛さんが送り迎え

居住場所

学校までの距離:愛さん宅から徒歩15分、父宅から車で10分

学校の送り迎え

父母それぞれが送り迎え

学校の保護者面談

父母ともが行ったり、仕事で行けないときは一人で行っている

子どものことについての話し合い

不定期で話し合いを行っている

病気の対応

カナダの医療事情からそもそもあまり病院に行かないが、連れていける方が連れていく

アレルギー等の情報のシェア

シェアしている

パスポートや保険証など

適宜渡しあっている

養育計画の合意

話し合いレベルであり、文書化はしていない

カナダと日本の共同養育を取り巻く環境の違い

共同養育を行いやすい環境面での違いがあることも分かりました。

婚姻制度(事実婚制度)

カナダでは事実婚が多く、結婚という形式にこだわらないパートナーシップが一般的であること。そして、事実婚のカップルも、結婚している夫婦とほぼ同等の権利や責任を持てる。

離婚制度

結婚している場合、離婚には1年間の別居期間が必要になる。この期間は、感情的な整理や今後の生活設計を行う上で重要な時間。

子の利益の考え方

「子の利益」が最優先にされており、父母の都合は2の次。子どもは父と母のどちらも好きだし、必要。親子の関係は一生続くものであり、親子関係の維持は当然のこと。

カウンセリングへのハードルの低さ

カナダは公共機関でも受けやすい価格で、皆に利用されている。マネジメント層であったとしても、カウンセリングを受けるのは当たり前のこと。

個の意見の尊重

個人の意見が尊重されている。2、3歳の子どもであったとしても「あなたはどうしたいの?」と話を聞いて、周囲が何が出来るのかを考えている。

自分らしさと親としての責任

愛さんが元パートナーとの別れを決意した背景には、価値観の違いがありました。別れを決断する際は大きな葛藤がありましたが、「これが息子にとっても、パートナーにとっても、私にとっても、みんなにとってベストなんだ」という強い信念があったそうです。他人からどう見えたとしても、自分らしく生きることが、結果的に子どもにとっても最善であるという考え方です。親の本質的な幸福が子どもの幸福にも繋がるという価値観が伝わってきました。

3歳の息子さんに、両親が激しく言い合う姿を見せてしまうこともあったそうですが、親同士が不安定な時期には息子さんも落ち着かない様子を見せたと言います。「それでも息子には、『あなたのカナダのお家はふたつあるんだよ』と率直に伝えてきました」と愛さん。さらには、日本に帰国した際は、コミュニティの仲間が所有する共同の家にステイすることも。様々な生き方を選んだ大人達・子ども達と過ごしながら、血縁関係だけにとらわれない、“新しい家族のカタチ”を体感してもらっているという。

「『あなたを愛しているのはパパとママだけじゃない。世界中に家族がいるんだよ。あなたを大好きな人たちがこの世界にはたくさんいる。だから安心してあなたらしく生きてね』。そう伝え続けることが、別れを決意した自分が息子にできる最善のことと思っています」。

感想とまとめ

個人が尊重されサラっとした人間関係がある

愛さんのお話の中で印象的だったのは「どちらがメインの保護者かといった質問は、カナダではされることがない」ということです。カナダでは、「子どものための権利」という意識が強く、親の権利(親権)という捉え方が希薄であるとのこと。また、元夫や元妻、元恋人ともカジュアルに会うことが多く、人間関係がサラッとしているという話も、日本の状況とは異なり興味深いものでした。

人を尊重し、自分を大切にする生き方

愛さんのお話を通して強く感じたのは、人を深く尊重する姿勢と、そのために自分自身をとても大切にしている生き方でした。自分の気持ちに正直でありながら、相手の立場も理解しようと努めるバランス感覚は、共同養育だけでなく、あらゆる人間関係において重要な示唆を与えてくれるように感じました。

まとめ

カナダの共同養育のリアルな現状を知ることができた今回の共同養育Lab.。参加者それぞれが、自身の状況と照らし合わせながら、様々な気づきや学びを得られたのではないでしょうか。

イベントの最後には、参加者全員で感想を共有し、それぞれの思いを分かち合いました。共同養育の形は一つではありません。それぞれの家庭にとって最善の形を模索していく上で、このような交流の場が持つ意義を改めて感じさせられる時間となりました。

共同養育Lab.は、今後も毎月第1日曜日の午後に月島近辺にて開催予定です。共同養育に関心のある方は、ぜひお気軽にご参加ください。

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